今回の記事では「回転粘度計」の、おすすめメーカーと価格相場について紹介します。
目次
回転粘度計の種類
回転粘度計とは、液体の粘度(流体を動かそうとした時の動きにくさ)を測る工程で使用する産業用の機械です。分類としては大きく3つに別けられ、以下のような違いがあります。
①共軸二重円筒型(クェット型):
共軸二重円筒型は同一中心軸持つ二重の筒の間に液体を入れ、内側の筒または外側の筒を回転させたときの液体から筒に伝わるトルク、角速度を測定することにより粘度を算出する回転粘度計です。
②単一円筒型(ブルックフィールド型/B型粘度計):
単一円筒型は、液体内に円筒を入れ一定の角速度で回転させた時のトルクを測定し粘度を算出する粘度計です。
③円すい 平板形(コーンプレート型):
円すい 平板形は、同一回転軸を持つ平円板と頂角の大きい円すいの間に液体を挟み、平円板または円すいを回転させた時の回転させた方ではない方の受けるトルク、角速度を測定し粘度を測る回転粘度計です。
上記のように3つに分類することができます。
ただしどのタイプの装置も基本構造には大きな違いはありません。回転部を取り換え可能で、どの形としても使用できるものも多いです。
回転式粘度計は構造が単純な装置であるため、回転速度の変更で非ニュートン流体にも使用できるのが利点でしょう。
一方、回転粘度計は構造上モーターが必要となるため、装置自体が大型になりやすいという特徴があります。また回転軸があるため配管内など他の装置の中に組み込むことが難しいという欠点もあります。
より高性能で細かな制御が可能である回転粘度計の上位機器として「レオメーター」というものもあります。
根本的な仕組みは同じですが温度管理や細かな回転数での瞬間的な粘度の測定など様々な状態、状況を想定した測定が可能な回転粘度計に様々なオプションがついたような機器です。
粘度以外の測定が可能なものもあり回転粘度計とは分けられ販売されいることが多いです。
回転粘度計を扱う主要メーカーについて
回転粘度計を扱う主要メーカーは、30社以上あります。その中から、国内シェアの高い3社を機械の特徴やメリット・デメリットと合わせてご紹介します。
英弘精機株式会社(EKO)
出典:EKO
1927年創業の理化学機器、計測機器などを製造、販売をする老舗メーカーです。
高い精度、技術力があり「直達日射計と全天日射計の校正」と「粘度測定及び粘度計校正」で試験所・構成機関認定ISOを取得しており、技術力、校正能力の高さが証明されています。
回転粘度計にも力をいれており、グローバル標準のBrookfield社製回転粘度計も取り扱っています。
株式会社アントンパール・ジャパン(Anton Paar)
出典:Anton Paar
アントンパールはオーストリアのグラーツに本部を置く、測定関連専門のグローバルメーカーです。
1922年に創業して以来、分析機器の製造と販売を行っており、世界各地に多くの支社、子会社を有しています。
技術力が高い点や産学連携による信頼性などが高く評価されており、日本では日本支社であるアントンパール・ジャパンが販売などを対応。
同社は取り扱うラインナップが多いのも特徴です。
回転粘度計の価格相場
回転粘度計の価格相場は、10万円~100万円程度です。
回転粘度計の価格を決めるのはまずはその精度です。
測定精度が高くなっていけばなるほど本体の価格も高くなっていきます。
もうひとつ価格を決める要因としては検出機がデジタルでアナログであるかによっても価格は大きく変わりデジタルである方が大きく価格は高くなる傾向があります。
しかし、いろいろな特殊な機能をつけたり超高精度であったりすると1,000万円近くになってしまう場合もあります。
基本的には製品として売られているものでは高いもので100万円程度になっています。
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回転粘度計の選び方
回転粘度計の選び方としては以下の2点を押さえておきましょう。
- どの程度の精度が必要であるか
- 測定する試料は何なのか
メーカーごとに得意とする分野が異なります。基本的には導入実績が多い分野は、その企業が得意としている分野なので実績の確認は必須でしょう。
回転粘度計のまとめ
今回の記事では回転粘度計について解説しました。今回の記事内容を簡単にまとめます。
- 回転粘度計とは、液体などの粘度を測定する装置・機械です
- クェット型、コーンプレート型など、様々な種類がある
- 主要メーカーは、ブルックフィールド社やアントンパール社など外資系が強い
- 回転粘度計の価格相場は10万円~100万円程度。ただし精度や機械規模によっては1,000万円超。
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■執筆担当者:KenOs 昼は自動車整備士、夜は覆面の執筆者、趣味はバイクという、ライター界きっての機械マニア。 そんな機械に囲まれた最高の生活を送っているが、そろそろお金と美女にも囲まれたい、バイクには乗れるが時代の波にももっと上手く乗りたい……といった悩みも。 |